Camino

大村憲司 1976年

初めてCaminoの演奏を聴いたのは高校生の時、たまたまFM放送で流れたHot ‘Lantaの演奏でだった。
最初はAllmansの演奏かと思って聴いていたが、どうも違う。ツインドラムでは無いし、アドリブになるとギターのフレーズが全く違う。でも、とにかく凄まじい演奏にびっくりした。
演奏終了後にバンド名とメンバーの紹介があり、初めてCaminoと言うバンドの存在を知ったのと同時に、その演奏が日本人のバンドで為された事に度肝を抜かれた。
メンバー紹介なんて一度聞いたくらいで覚えられる訳も無く、慌てて当時買っていたMusic Lifeの「日本のロック」のページを漁った。そしてカタカナでカミーノと書かれた写真とメンバーの名前、簡単な略歴を見つけることができた。
メンバーを見ると、大村憲司・これかた広国(後の是方博邦)・小原礼・村上秀一となっていて、大村・村上は元「赤い鳥」との説明が書かれていた。

何ぃ?赤い鳥だぁ?
私にとって「赤い鳥」と言えば「竹田の子守唄」や「翼をください」、「紙風船」に代表される美しいハーモニーを生かしたフォークグループのイメージしか無く、そこにこんなに過激な(笑)演奏をする人間が参加してた等と俄かには信じられなかった。
写真には4人のメンバーが写っており、前列の左側にはワイシャツを羽織り無造作にジーンズのポケットに手を突っ込んだ大村憲司がふてぶてしい顔で立っている。
小原礼の名前はサディスティック・ミカ・バンドのメンバーでもあったので知ってはいたが、他の人は初めて知る名前だった。
と言う事で、実家に帰ってMusic Lifeを漁ってみたが写真は見つけられず、ネットを改めて漁ってたら見つけました。
camino
って、大村憲司、前列左じゃなく後列右じゃないですか?!
人の記憶なんて当てにならない・・・(笑)

さて、そのCaminoだが私は1977頃、一度だけ高円寺の次郎吉で見ただけだ。未だ、ステージが一番奥ではなく、入り口から見て左側にあった頃の話。
今となっては誰と見に行ったのかも定かでは無く、多分亡くなった友人のKと一緒だったのでは?と思っている。
自分では勝手にブルースばかりやるのでは?と想像していたが、かなりJazzっぽい曲もやっていたと記憶している。
メンバーについては殆ど大村憲司ばかり見ていたので、他は良く覚えていない。今考えると勿体無いことをしたと思う。

Caminoは自名義のアルバムを出すこと無く解散をしていることから、知る人ぞ知る幻のバンドと言う扱いになっていた。
キーボーディストの故深町純とCaminoに近いメンバーで幾つかアルバムを残しているので、その雰囲気だけは味わえたのかもしれないが、私は聴いたことは無い。

そのCamino名義のアルバムが2005年になって、ベースの小原礼の手によって発売されたのである。
では何故今頃?と思われるかもしれない、もう2013年だ。
いやぁ、漸く2枚目のDeep Inside of Caminoを手に入れることができたからです(笑)

最初Live 1976と言うアルバムがリリースされた。これは、当時のライブハウスでの演奏をカセットで録音したものが発見され、小原礼がプロデュース、リマスタリングされて発売された。
多分オーディエンス録音なのだろう、決して音が良いとは言えないが、色々なブートを聴いて来た自分からすれば何の問題も無い。

Live1976-Camino
トラックリストを以下に示す。

1. Further on Up the Road
2. Introducing Camino(オリジナル)
3. Key to the Highway
4. Everyday I Have the Blues
5. I Call Your Name
6. Laughing Dog(オリジナル)
7. Tropicana Blues(オリジナル)
8. Stormy Monday
9. Season of the Witch
10. The Sky is Crying

Caminoのブルース色の強い面を捉えた選曲がされている。
正直言うと村上ポンタのドラムはキッチリしすぎていてブルース向きと言う感じがあまりしないが、とにかく大村憲司のギターがもの凄い。
この当時、これ程クラプトンを意識して弾いていたのか?とびっくりするくらいクラプトン、しかも超絶に弾きまくるクラプトンと言う感じを受ける。エリック本人が聴いたら笑っちゃうんじゃないかな、俺こんなに弾かなかったよ、なんてね(笑)
もの凄くリスペクトしていたのだと思う。それでいて、確実なテクニックに裏打ちされたグイグイ引き込むようなフレーズ回しとスピード感で聴く者を圧倒していく。
ため息しか出ません。
そして絡むようにうねる小原礼のベース。リズムの持つグルーブの格好良さ。
あっと言う間に終わってしまいます。

そして漸く手に入れたDeep Inside of Camino。
これもライブハウスでのカセット音源で、前作よりもこのバンドの持つJazzっぽい側面がフィーチャされている。

DeepInsideofCamino

トラックリストは、

1. Medley
Have You Ever Loved a Woman
Little Queenie
Further on Up the Road
2. 真空(オリジナル)
3. Bamboo Bong/Original Full Version (オリジナル)
4. Sweet Little Angel
5. Sidewinder(オリジナル)

さて、何と形容しよう。ブルースのメドレー等は前作同様火を噴くクラプトンと言う感じに加えて大村憲司独自のフレージングも炸裂。凄いです。
で、真空やBamboo Bongになると、先ず村上ポンタのドラムが全く変わってくる。正確なタイミングでビシビシ決めてくる、しかも細かい刻みで。やはりポンタはこう言うドラミングが得意なのだと納得させられるものがある。
で、大村憲司。先ほどまでのクラプトン系の端正なフレージングは影を潜め、より攻撃的な、縦横無尽なと言う言葉しか出てこないJohn McLaughlinとかLarry Coryellのようなフレージングが怒涛のように攻めてくる。
苦手な人には辛いかもしれないけれど、とにかくインプロヴィゼーションの嵐。
エレクトリックなマイルスとか好きな人は引き込まれると思う。
心地良い疲れの残るアルバムだと思うし、Live 1976と併せてあの時代にこのようなバンドが日本に存在したと言うことを感じさせてくれる貴重な記録だ。

尚、この2枚、Bridgeと言うインディーズ系の会社から発売され、発売開始から既に8年経っているのでAmazonとかを探してみても高い中古品しか出てこない。
ですが、そんなところから苦労して高い中古を買っちゃ駄目です。ちゃんと定価で買えるんです、Bridgeの通販で。

リンクは以下の通りです。

Live 1976 / Camino
Deep Inside of Camino / Camino

Deep Inside of Caminoはリンク先で品切れと書かれていますが、あれ嘘です、ちゃんとカートに入れられますし、買えました (^_^)v

大村憲司さんは残念ながら1998年11月18日に肝臓疾患で突然亡くなりました。
Bux Bunnyのギタリストだった永井充男さんは、「何をもって彼が酒に救いを求めたのかは彼の胸の内にしか見いだせないが、少なくとも日本のギタリストにおいての大きな損失だったと思う」と仰られています。
しし座流星群の流れる日だったことから、2年後に行われた彼の追悼コンサートでCharを中心に「しし座流星群の夜に」と言う曲が演奏されました。
彼の事を慕うミュージシャンは多く、今でもミュージシャンズミュージシャンなのだと思います。
安らかにお眠りください。

omurakenji

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~ by mars_mnt : 2013/07/26.

コメント / トラックバック2件 to “Camino”

  1. ごぶさたしております。LD以来かもですね。
    をを、買えたんですか…てんで、早速ポチりました。ポンタの自伝で読んで以来ずっと気になってましたよ。

    関西人としては伝説のプレイヤーでながら、私の世代ではあまり縁がなく、学生時代当時ローカルな音楽番組で何回か見かけたもののあまりピンと来なかったです。(80年代後半、当時のバンドブームのぽっと出の誰かのバックを露骨にイヤそうに弾いていて、香津美が苦笑してたのを覚えてます。肩幅の広いブランドのスーツを着てました^ ^)
    その後ライトニングブルースフェスで観て腰を抜かしたものの、すぐ亡くなり、以降疎遠でした。深町さんも亡くなってたんか…知らなかったOTZ
    また新丸子でお会いできるのを楽しみにしてます。こないだのディッキーの音源聴かせて下さい(4月から行けてません(>_<))

    • みわた○さん、で良いのかな?(笑)

      ども、ご無沙汰です。LD以来、ですか?
      そう、あれらを中古の馬鹿高いお値段で買っては損ですよ。
      Bridgeから買えば良いのです。ちゃんと宣伝して、密林でも普通に扱って欲しいですよね。

      80年代は、ソロ活動とかYMOとかで演っていた頃でしょうか。
      多分、自分が本当に演りたい音楽とかできていなかったのかもしれませんね。
      ライントニングでの演奏、格好良いですよね。あれ見ても、やっぱりクラプトン好きなんだなって良く分かりました。
      他に「1998.8.23 Summer Dream Super Session’98 at 徳之島」の映像も素晴らしかったのですが、YouTubeから削除されてしまいましたね。残念です。
      新丸子は私も4月から行けてないです。近いうち、行きたいなと思っています。
      ディッキーさん、録音してないんです m(_ _)m
      でも、別音源は用意できるかも(笑)

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